2007年7月22日日曜日

巣箱づくり、沈黙の春の回復へ 



鳥の巣箱をつくる。
巣箱、どうして鳥だけ大事にするの?という声もある。
そう、巣箱をつくったことで、少なくなった鳥が多くなるということではない。
まして、鳥に偏愛した愛護でもない。
巣箱をつくるという体験を通して、自然のつながりを少しでも理解するため。

神奈川県藤野町篠原

かつてこの集落にはたくさんの野鳥がいた。
それが今少なくなっている。
種類によっては、沈黙の春状態。

鳥は1種であるにもかかわらず、世界に約9000種類もいる。
世界中の各地域の特性にあわせて多様に進化をしてきた生きもの。

鳥に必要なものは、3つ。
餌、子育ての場所、ねぐら。

餌は、木の実、昆虫、蛙、ヘビ、魚、動物と種類によってさまざま。
子育ての場所や、ねぐらは人間にとって家のようなもの。必要。

鳥の餌が減っている。水田の減少。蛙を中心とした鳥の餌となる生物の減少。
藤野、昔は見渡す限り山の中腹まで水田であった。
現在、気づかないくらい跡形もない。

子育ての場所、ねぐらの減少。
どんな木でも鳥の家になるわけではない。
鳥が好むのは、樹齢を重ねた、中が空洞になっている木。
古い大きな木。
昔、薪炭として森を利用していたころは、古い大きな木は、伐らなかった。伐る必要がなかったから。
現在、植林のため、管理しやすいとの理由で伐られた。

鳥の巣箱の必要性。
巣箱をつくるだけでは、鳥が増えることはない。
巣箱をつくることで、鳥の減少からつながる生態系の状態を知り、
そこを回復していくことが大事。

水田、恐るべし。
日本の里山。


藤野の子供たちは、元気だ。
自由な想像力で巣箱をつくっていた彼らが
大人になるのが楽しみだ。

0 件のコメント: