2007年8月2日木曜日

地球大学vol.59「“ウミガメ”太平洋横断の旅」

シリーズ「海洋」Ⅱ
第5回 “ウミガメ”――太平洋横断の旅
ゲスト:亀崎直樹さん(NPO法人日本ウミガメ協議会 会長  国際ウミガメ学会 理事 東京大学大学院 農学生命科学研究科 客員准教授)

ウミガメが減っている。

◎日本のウミガメ

オサガメ (いつも泳いでいるウミガメ)
アカウミガメ (日本を代表するウミガメ)
アオウミガメ (ウミガメスープにされる)
タイマイガメ (べっ甲になる)
ヒメウミガメ
ヒラタウミガメ
ヘンプヒメウミガメ

◎カメの脳みそは、ビー玉くらい。カメはバカ?
日本のウミガメは、太平洋を単独横断し、アメリカ西海岸で成長したあと、足かけ20~30年かけてまた日本まで戻ってくるという
地図なしで。
太平洋、地図なしでしかも、うん10年後に戻ってくる、、、人間は無理でしょ。とくに現代人。カメ賢い。

◎ウミガメは、それぞれ食べるものが違ったりする。
クラゲを食うもの、軟体植物を食うもの、海藻を食うもの、甲殻類を食うもの。
餌が多様であることは、食の住み分けができていて、共存しやすい。

◎ウミガメは産卵が可能になるまで、25~30年くらいかかる。
人間に比べると、かなり遅咲きか。
子供を産めるまでにたっぷり時間がかかる。

◎ウミガメのイメージ
夜中に静かに海岸にやってきて、涙を流しながら産卵する。
感動的。いや、違うらしい。
産卵で上陸したカメは、「ぶはーぶはー」とうるさく、
涙と思われるものも、塩分調整か何かで、産卵がどうしようもなくきつくて、泣いているというわけではないらしい。
また、ウミガメは酒も飲ませたら飲むとのこと。

◎ウミガメの寿命
カメは万年、ツルは千年というくらい、長い。
ゾウガメだと250年というのもいる。
長生き。

◎ウミガメの調査
日本ウミガメ協会会員(1200名)や市民が、目撃情報(足跡、産卵、死体)を日本ウミガメ協会に報告している。
携帯電話の発達のおかげで、より多くの情報が寄せられるように。
1つ1つの情報が集まり、ジクソーパズルのように生態マップができていく。

◎蒲生田のデータ
四国の蒲生田小学校の校長先生。
彼が数十年前に赴任した小さな海辺の村の小学校で、ヒマだから小学生も巻き込んで、ウミガメの調査をするように。
きっかけはさておき、長い年月の継続したデータは今では貴重なものに。
現在、この小学校は廃校になっている。

◎ウミガメの回遊を決める要因
海流

水温

ウミガメが減っている。

◎主な原因
卵の採取 でもない
砂浜で花火 でもない
砂浜を4WD走る でもない

混獲
砂浜そのものの減少
が主な原因

混獲とは、魚業の網にまぎれて捕らえられること。

温度の変化
カメの卵、29℃より低いと雄、高いと雌が生まれる。
気候変動に影響される

餌場の変化
黒潮、親潮のぶつかる餌場の衰退(この場所は、日本近海で産卵する、すべての海の生物に影響している)

◎カメの産卵に適した砂浜とは
循環する砂浜、生きた砂浜
自然のバランスが、人為的に直接的に、間接的に破壊され
本来の砂浜の循環が失われてきている。(台風によって簡単に破壊され、再生しない。サンゴもそう)

◎ウミガメ
1.5億年前に出現(アルケロン)
アカウミガメ600万年前に出現
人間、500万年前、しかもそのころはまだ猿。


ウミガメが減っている。


▼日本ウミガメ協会
http://www.umigame.org/

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ウミガメ大好きなので興味深く読みました!

私が聞いたのでは、人工的な町の明るさも、ウミガメ減少の大きな原因だそうです。

小笠原では、夜居酒屋で飲んでるとときどき誰かのケータイが鳴ります。

「○○でウミガメが孵って町の方に行ってるぞ!」

ジョッキを放置してみんな散り散りに走り出し、卵から孵ったばかりの赤ちゃんを路地や民家の庭や道路で回収し、海に放ちます。

ウミガメの赤ちゃんは、明るい方(=本来は海の方、夜、月明かり/星明かりで他より明るいはずの方)に向かってハイハイしていく習性があるのです。

町の明かりで、浜から町の方に迷い込んでしまった赤ちゃんたちは、次の日、日が昇るとひからびて死んでしまいます。

ふく さんのコメント...

marujunさん
どうも。
それは、悲しい話ですね。

いっぱいタマゴ産むから、そのうちの数匹しか大人になれないんだけど、そう、海にちゃんといけても、食べられちゃうんだよね。でも、それは正しい循環。

町を目指して干乾びるのは、悲しいよね。

田舎ものが都会にあこがれて、ぼろぼろになる、、街の明かりは時には、夢があり、時には過酷な現実か・・・。